東北シクロクロス第1戦(2014−2015)「観光するなら埼玉の江戸より松島でしょ」
写真:ツノを出した鬼(左)とおじさん
シクロクロスを松島でやれると聞いて、走る自分の背景に松と小島のシルエットを妄想するのは、自由だ。しかし、実際のレース会場は少し内陸に位置する。というと残念な感じもするので一応フォローすると、会場にも松は生えていたよね。
会場でSNELの鬼軍曹(惨敗したMTBのレース直後に「今日、何しにきたの?」と詰める鬼っぷりでおなじみ)とTEAM TAMAGAWAのおじさん(ニックネームがおじさんで、歳は自分と同じで、おじさんと呼んでる自分もおじさんということになります)と合流。おじさんは鬼に強く誘われ、ここ松島に来たらしい。ひとりで遠征できない、意外と寂しがり屋の鬼。
松島での夕飯では、イカ焼き定食を肴にビールを飲むおじさん。「レース前日にビールを飲むなんて意識が低い」だのなんだのワイワイ煽る私と鬼。「まぁ、飲んでるふりして、ぜんぶ床にこぼしてるけどね」とおじさんギャグ。
写真:おじさんのリクエストで肩を組む(鬼撮影)
写真:ただの観光
さて、夜は夜で雑魚寝のイビキでほとんど眠れないなどいろいろあって、レーススタート。
写真:雑魚寝から別室へ離脱後も頭が冴えて眠れず……
写真:2列目から(自転車写真館さん)
スタートの混乱も記憶にないからスムーズなペダルキャッチだったのだろう。短い直線から右折するコースだが、カテゴリ3のスタートで落車シーンをみてしまっていたので、やや遠慮がちな入り。安全を第一に、危険なほどのがむしゃら感は抑えられているのがカテゴリ2の良さだとも思う。
公園内の小さな丘の外周をなめて、数日前に宮城を濡らした豪雨で重くなった草地を行く。ここはパワー勝負。
草地を踏み倒したあとに、また小さな丘に戻り、今度は丘を駆け上がりシケイン。上下の動きと左右の動きが混じりあいコース取りの確かさがタイム差になるレイアウト。こりゃいいね!
ここでおじさんが少し前の先頭パックにいることを確認。丘からまた草地へ下りてパワー勝負。ここで後続から数人にパスされる。
写真:レース序盤(自転車写真館さん)
同時刻スタートのマスターズの選手なのか、同じカテゴリの選手なのか、抜かれるまでわからないが、迫る気配で弱い気持ちが先行する。
レース序盤だというのに、前を追うことよりも、抜かれやすいコース取りを意識してしまう。まったく何をやってるんだろう。ファンライドじゃないんだから、きついのは当たり前だし、シクロクロスは序盤こそが我慢のしどころのはずなのに初戦のシーズンインにメンタルがついてきていない。
写真:丘の上のシケイン(自転車写真館さん)
数日前に宮城を濡らした強い雨の影響で、田んぼ化したぬたぬたの泥道を踏み、階段をかけあがり、どんなに強くても絶対に抜けないシングルトラックの下りへ。
このコース一番の難所と思われるスイッチバックのような、鋭角の切り返しもスムーズにクリアする。
適切な空気圧のIRCタイヤ(シラクCX)があれば、トップカテゴリの選手でも手こずっていたこの切り返しに苦手意識など芽生えない。タイヤだけじゃなく、自分の技も手伝ってなくはないけどな ( ´Д`)y━・~~
周回を重ね、徐々に離れ遠い人になっていくおじさん。数メートル離れていたときに強い意志を持って踏めばここまで離れる距離ではなかったはずなのに。10メーターだって、20メーターだって「くらいつく」意思で「追いつける」と信じていなければ、差はひらいていくばかり。
レース後半、残り周回2くらいを残したあたりで、後ろからのふぅふぅと息づかいが煽りに感じて、やっと気持ちに火がついた。ここまでじわじわと追いつかれたけど、抜かれるものかと重いギアにかけスピードアップ。もっと強く踏めることをここで知り、ダメな自分にがっかり。
カテゴリ2で戦えない主な原因は、テクニックではなく、メンタルとフィジカル。ダメなメンタルをカバーできるほどのフィジカルを身につけることが強化策に違いないけど、それもなかなかねぇ、要は弱い。弱いよ! ひとまず自分の能力を出し切るメンタルは必須。
煽られて差をつけ、そのまま抜かれることなく、結果は13人中10位(走行90%)。おじさん優勝。
帰路、鬼平犯科帳とのコラボで江戸の町並みを再現している東北道の羽生サービスエリア(埼玉県)での、おじさんの発した一言。
「このパーキング、今日のハイライトだわー」
え、今日レースで勝って昇格したのに、パーキングがハイライト? マジすか。勝つためにはそういうメンタルも必要なのかもしれない。
あけましておめでとうございます!これな。