オフシーズンに入れない気持ち
前回のレースの結果や手応えから、今期の昇格はほぼ期待できない。
今ここでまた昇格を宣言しても、誰ひとり信じるものはなく「そういえば、あさかさん用にシャンパンを買ってこなくていいの?」とレース会場で慌てるものもいないはずだ。
しかし、ここに次戦の湘南シクロクロスにエントリーしてしまった自分がいる。自分の中ではまだまだ“ある”と思っているところがあり、あきらめきれていない。
今シーズンは長丁場。ここでオフシーズンと決め思う存分、食べたいものを食べたい。そう思う気持ちもある。
ここ2週間、空腹時のおやつは昆布。もしくはアタリメ。大好きなモナカアイスの味は忘れてしまった。
今シーズンの目標はトップカテゴリへの昇格だったはずだ。なのにオフシーズンのトレーニングは積み上げが甘く、初戦と第2戦で大惨敗してしまう。初戦の落車で、怪我もしてしまった。
またしても目標を残留に下方修正するしかなく、残留のために再度トレーニングにはげむことになる。
この後、fitbitを購入する。fitbitは腕時計式の心拍数を計測してくれる活動量計で、腕につけておくだけで安静時の心拍数の見える化を推進してくれる。
惨敗からトレーニングを重ねる。じわじわと安静時心拍数が下がっていく。下げていくためのきついきついインターバル・トレーニングをする。
睡眠時の最低心拍数を疲労回復の目安として、さらにトレーニングを重ねていくと、安静時の心拍数はさらに下がり、レースの結果がついてきた。
そして残留。毎年ギリギリの残留で、万年カテゴリ2の住人となりつつある私が、50%以内の順位でゴールし始める。初のシングルリザルトも。
いま足りないのはテクニックか。フィジカルか。おそらくフィジカルとタクティクス。いやテクニックも足りない。すべてだ。
フィジカルに劣れば、持てるテクニックを発揮することもままならない。要素が絡み合う。
いま、とても曖昧な位置にいる。残留は決まった。昇格するほどの強さはない。
ただ、積み上げは続けている。増量した身体を絞る努力もしている。
次戦は出走メンバーも変わり、たまたま強いものがいないかもしれない。いたとしても強いものがミスをするかもしれない。
あるのは“うっかり昇格”だけだ。
写真・おぐーさん