茨城シクロクロス城里町 第2戦

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昼は働き、隙間の時間をみつけて自転車に乗る。苦しいだけのローラートレーニングも、明日の勝利のよろこびのため。トップカテゴリに昇格するため。

生まれ持った身体能力の差や、いま置かれている環境などなど、個々に違いはあれど、いまのカテゴリ2を走っている人たちは、おそらくそうやってきている。

積極的におのれの不節制を晒すのは、裏でこっそりと積み重ねている努力と少しの自信のあらわれかもしれない。ビールだけをただ飲んでいるわけではないんだ。

最終戦の茨城・城里町でのレースを終え、オフシーズンに入った解放感から、会場で販売していたリブステーキに手を出した。

肉汁したたる焼きあがりそうな肉塊についつい。というわけだけど、脂を口にしてカラダが受け付けないことに気づく。

今日、終盤まで優勝圏内でレースをすすめていたSさんもリブステーキを手にしていた。

「乗ってないといっても乗ってるし、食べているといっても食べてない。鶏肉の味に慣れた味覚がこの脂を受け付けない」そんな話をした。

さてレースは最前列スタート。やや練習量を抑え気味に過ごし、気になっていた腰の痛みもほとんどなく体調は悪くはない。最前列だから、おそらくトップにたつ。先頭にでてから全力でいきすぎて惨敗してきたこれまでの反省をいかし、先頭に出たら抑えめペース。
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スタートラインから始まる傾斜のある舗装路の直線は、体重を3週間で2kg落とした効果でスルスルとのぼれてしまう。

トップにたつまでは予定通りになった。抜きづらい斜面を先頭で抜け、担ぎの階段へ。階段も担ぎ方を変えたことで、苦手意識を克服した。

誰よりも速くなくてもいい、並のスピードと階段後の消耗を抑える担ぎ方を模索した。

階段をあがると、後続が離れていた。息があがりすぎている感覚もなく後ろを確認。

もしかしたらもしかして、もしかしたら、まさかまさかの“うっかり昇格”もあるのか。そんな気持ちがよぎった。しかし、うっかりはなかった。

追いつかれて、そこから立て直すフィジカルも勝者のメンタリティも持ち合わせていなかった。勝てないのなら、あきらめてしまう敗者のメンタリティしか持っていなかった。

うっかりはなかった。うっかりのある世界ではなかった。脂身を食べてる場合ではないのだ。

写真・なかしまさん(ERATEH)