シクロクロッサーが木更津トライアスロンに出場したら

もうほら知っての通り、ここ数年シクロクロスの成績も弱からず、強からずの中途半端だしさ、ちょっと新しいことでもはじめましょうと木更津トライアスロンに参加してきました。初のトライアスロンはスイム1.5km、バイク40km、ラン10kmのオリンピック・ディスタンスです。目指せ、東京オリンピック

トライアスロンの参加にはウェットスーツが必要だそうで、買いましたよ、ヤフーショッピングで。

ところがこのウェットスーツが、サイズチャート通りに買ってはいるもののパツパツのパツパツなんです。着るにも難儀、脱ぐにも悶絶。試着もできない通販のワナにハマったのではと後悔したパツパツ具合ですが、でもそういうもののようです。

「海に泳ぎに行きましょう」という、会社の自転車競技部のトライアスリートなお仲間のお誘いも、ウェットスーツを着ることにネガティヴなので、お断りしておりました。中学時代はヌルい水泳部に所属していたこともあり、まぁスイムはどうにかなるだろう、次々と抜き去るプールでのイメージを持ってぶっつけ本番で挑みます。

ひゃー、これが大間違い。海を完全になめていました。まず木更津の海が不味すぎるのです。透明度のない黒い海水はケミカルな味わい。強い苦味に顔をつけることにも躊躇してしまいヘッドアップクロールのみで押し切ろうと試してみるものの、ウェットスーツの首回り、胸回りがきつく息苦しくなってしまいます。負荷をかけた泳ぎもできていないのに息苦しく、リタイアもよぎります。

しかし、リタイアするならこっそりとしたい。そこかしこで待機しているレスキューのボートに乗ることなく、2周するところを1周で切り上げひっそりとリタイアしよう。息苦しくとも幸いなことにそれくらいのプライドは残っていました。

息が整うまで滞留し、いざ顔をつけ1周をこなすために泳ぎだします。苦い味を我慢し泳いでいると、徐々にウェットスーツでの泳ぎ方にも慣れてきます。

下半身をウェットスーツの浮力を使って自然に浮かせるコツがつかめてくると胸回りの締めつけがそれほどきつくなくなっていました。

さらに木更津の苦い味にも慣れてきました。ゴーヤーのような苦味だなと思う余裕も生まれます。なんてやっていると1周が終了。

ブイをターンし2周目に向かうとミズクラゲが水を差します。そこで来ますかミズクラゲ。傘の大きさ12センチ程度の巨大ミズクラゲの出現にハッと驚くとふくらはぎがピキンとつりました。

痛む脚をごまかし、透明度のひくい海から突然やってくるミズクラゲにおびえながら進みます。2周目はただただミズクラゲのことを思いながら泳げましたから、すっかりウェットスーツに慣れたということかもしれません。そこからは、あっけなくスイムを終了します(自分比)。

陸にあがり、ウェットスーツの上半身を脱ぎ、ゆっくりとオフィシャルのサポートが用意してくれる水を飲みます。同時スタートしたグループの中では、ほぼビリなので焦る必要はありませんでした。

f:id:keroringo:20170827205320j:plain とあるデパ地下で

f:id:keroringo:20170827205312j:plain ホタテ入りのスープを試飲する私

水分補給も十分にバイクの置いてあるトランジションエリアへ駆け出すと、会社の同僚やよく知った顔があって死の淵からの生還したことも相まって、途端に楽しくなりました。準備不足の自業自得とはいえ、苦しみから解き放たれる快感がありました。

バイクの前に着き、ウェットスーツを脱ぎます。家では脱ぐにも悶絶していたあのウェットスーツが水を吸い込んだことで、スルスルと脱げてしまいます。これまたハッピー。

f:id:keroringo:20170827205343j:plain 緑のチームのみなさん、ありがとう

さぁ、あとは慣れたバイク40kmとラン10km。ヘルメットをかぶり、胸の心拍ベルトを着けコースに入るとスイムで同じグループだった人たちを次々とキャッチアップしていきます。

トライアスロンの一般参加者にはどうやら自転車が軽視されているようで、みんなとても遅いのです。

しかしながら、後ろから追いつくということは、私よりスイムが速いということですからそこにリスペクトしかありません。抜くたびに地獄のスイムを思い出し、今地上にいることに安堵します。

バイクパートを無難に終わらせ、トランジションエリアでシューズをランニング用に履き替え、約10km走ってフィニッシュラインへ。

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バイクとランはこれといった発見や驚きなんてありません。初のトライアスロンのハイライトはスイムで、事前準備がまったく足りていなかったという結果になりました。

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帰って落ち着くと足裏が痛く、床に血痕が。海から陸へあがるときに、海底の牡蠣殻を踏んでいたようです。

ウェットスーツへの慣れ、スイムの改善で大幅にタイムを縮める自分を妄想しつつも、これでひとまずトライアスロンは終わりです。シクロクロストランジションする冬がすぐにやってきます。次回ブログは「トライアスリートシクロクロスに挑戦」です。

木更津トライアスロンの運営の方々、レスキューの方々、ボランティアの方々、会社のK津さん、Mile Post(マイルポスト)の皆さん、とてもお世話になりました。皆さんのお陰で安心して完走することができました。写真もありがとうございます。

追記。ミズクラゲは人をあまり刺さないそうです。刺してもあまり痛くないとか。ビビって脚をつるほうが痛いのではないでしょうか。